な～んか、毎日中野通い。でも、毎日が違うから面白い。で、今日、火曜日は久々にウチ担当のクラスの日。晴れ晴れとした気持ちのいい青空の下、最近は足取りも軽い。バンマスから宿題にもらっている曲の歌詞を考えながら、はい、到着。

今日はちょうど年を通しての真ん中あたりになるので、上手な生徒も、今、頑張ってる生徒もみんなを平らにして今一度、腹式呼吸の確認をした。もう出来てる生徒には確認、まだ良く分かってない生徒にはもう一歩、進んでほしいなと思うし、自分にとっても、確認は必要やなって思う。１年生の男の子が情けない声を出す。

「先生、俺、一生、出来ないんじゃないの？」

「ほら、もう一回やってみようよ。」

「これでいいのかなぁ・・・」

他の生徒が声をかける。

「それそれ！おまえ、もうちょっとだよ。俺だってさぁ、迷ったんだぜ。これでいいのかなって。」

おっ、お前、いいヤツじゃん！

「大丈夫だよ、ウチも出来なかったクチよ。だから、ちゃんと出来るようになるって保証できるんよ。」

「えっ、先生も出来なかったの？」

「ここだけの話やでぇ～～！？」

君ならちゃんと、出来るようになるよ。

とある時間。今度は女の子の生徒と二人きり。なんか、元気がない。

「今日、この後、バイトなんですよぉ。」

「何時まで？」

「１０時。あのね・・・先生、今日お昼を食べようと思ったら、お財布、家に忘れてきちゃって。」

「えぇっ！ちょっと貸そうか？」

「いいえ、それはダメなんです。」

ちゃんと分かってる。貸そうかと提案したウチが恥ずかしい。でも可哀想だな。あっ、ウチの常備品があるじゃん！

「ね、チーズって好き？」

「大好きです！」

「じゃ、これはプレゼント！ちっちゃいけど、元気出るよ。」

いつも、鞄に入れているベビーチーズ。彼女はとっても美味しそうに食べてくれた。それからま彼女は別のレッスンに行った。

「先生、ご馳走様でした！バイト、行ってきます！」

自分のレッスンを終えて、さっきの生徒ちゃんがお礼を言いに来てくれた。

夜になると、あっという間に冷えてくるこの頃。今日は久しぶりにちょこっと何軒か、顔を出しに行こう。ウチの顔を見て、喜んでくれはる人がいる。それは本当に幸せな事やと思うねん。

「お父さん、お腹減ったぁ！」

「ほい、待ってたよ！」

おおきに。

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