朝が来た。晴れているだけで、なんとなく安心する。先週の木曜日は確か、学校が最後で思い切り忙しかったっけ。あれからすごく長い時間が経ったような気がする。目が覚めたら、普通の穏かな暮らしが戻ってきて、ああ、あれは悪い夢だったんだって、みんな願っているだろう。

溜まっていた洗濯を一気に片付け、掃除をする。こういう作業をしている方が気持ちが落ち着く。余震も少なそうだったので、お昼間の内にお風呂にも入った。

昼からは昨日の仕事の続き。キーボードを弾いている時は体も動いているので、ちょっとくらいの揺れは感じなくてすむ。音色を決めたり、なんやかんや。録音している曲は南国のリゾートを感じさせるメロディで、弾いている間はその明るく、すがすがしい世界に逃げ込める。

夜、大阪の友達に電話した。親友の声を聞くとホッとするんだよね。大阪でも物の買い占めが目立ってきたと言う。

「そんなん買い占めたら、被災地の人にいけへんやんか。」

友人は怒っていた。買い占めをしているのは、ほとんどがオイルショックを経験したであろう年代らしい。東京ではすでに、トイレットペーパーは一人一個まで、ガソリンは一台20ℓまで、パンは一斤までという風に買い物に規制がかかっている。こういう事態だからこそ、人に優しくなれる人こそ強い人だと思う。

「阪神の時って、余震ってどのくらい続いたっけ？」

ウチは阪神大震災の時、大阪にいたのだけど、仕事のために2,3日後に帰京したのだ。

「やっぱり長かったで。1週間は揺れてたと思う。」

そうか。明日でちょうど1週間。そろそろおさまってほしい。

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